ある社員の不正~会社のカードを自分の為に~

企業調査

社員の不適切な行動は本人だけでなく、時には会社にも損害を与える事があります。

信頼する事はもちろん大切ですが、問題行動を起こさないかといった事には常に気をつけなければなりません。

今回は、ある社員の不正に気付いた男性が依頼された素行調査の事例についてご紹介いたします。

※こちらの記事は実際の事例に基づいて構成しておりますが、プライバシー保護・個人情報保護のため脚色を加えております。

ある会社で営業部長を務めているAさんは同期で友人でもある総務部長Bから連絡をうけました。「他の人がいない時に話したい事がある」と言うので何かと思って会いに行くと、Bさんは「見てほしいものがあって、これなんだけどおかしくないか?」とある書類を提示したのです。Bさんが提示した書類は営業部の社員であるCの社用車の走行管理表と給油のために使っているカードの履歴についてのものでした。

書類を確認したAさんは「確かにこれは変だな」とすぐに不自然な点を理解しました。

それは給油の回数や量が妙に多い事でした。走行距離や燃費などをもとにざっと計算してみると、満タン3~4回分くらいは余計に給油しているように思えるのです。

ただAさんとBさんはその原因を予想出来ていました。「おそらく自分の車に給油しているのだろう」と……。

Cの自宅は会社からそれほど離れておらず、外回りの営業中に立ち寄ることが可能です。おそらく営業に出かけた直後か戻ってくる時に一旦自宅へ寄り、会社のカードでマイカーに給油した後に社用車へ再び乗り換えていたのでしょう。社用車にはGPSなどは付いておらず、他人の目がない外回り中は絶好の機会だったのでしょう。

Cの行為は業務上横領ですが、今ならCを呼び出し叱責して二度とやらないように釘を刺し内密に処理する事も出来ます。しかしAさんは自身の監督責任も問われかねない事を承知の上で探偵に素行調査を依頼して不正の実態を明らかにする事を選びました

Aさんたちからの情報によるとCはどうやら一定のペースで給油をしているようでしたので、カードの使用履歴からCがマイカーに給油した日の当たりを付け怪しいタイミングを狙って調査を開始しました。すると調査3日目で営業活動から戻ってきたCが自宅でマイカーに乗り換え給油しに行く様子を撮影する事に成功しました。

その際、Cがカードの入ったポーチを社用車から持ち出して給油後に元に戻す様子の撮影にも成功。さらに後日Aさんたちがカードの使用履歴を調べた所、マイカーへの給油時の履歴がしっかり残っていました。Cが営業中に会社のカードを使いマイカーに給油した事は確定したといっていいでしょう。

後日、調査報告書を受け取ったAさんは事情聴取を行いCは不正について認めたそうです。ただ、不幸中の幸いというべきかCが仕事をサボったり他の不正に手を染めたりしている様子はなかったそうで、調査期間中にも不審な行動などはありませんでした。

今後は被害額や回数等々の詳細な部分を調べた上で会社に報告し、判断を委ねるそうです。もしCの行った横領が長期間に渡って行われていたならば、懲戒解雇もありえるかもしれません。

会社にとって社員はなくてはならない大切な存在です。しかし、中には不正を行う者もいるのです。今回、ご紹介したケースのような営業部員は外回りの営業活動に出る事もあり上司や同僚の目が届かない所に行ってしまいます。それを利用して隠れて不正に手を染める、サボってしまうといった可能性もあるのです。

もし、活動の報告や経費精算などに不自然な点があればしっかりと調査をして損害が発生する前にその実態を把握して対応する事が重要です。 そういった調査についてもご協力出来る事があるかもしれませんので、お困りの事がありましたらシークレットジャパン兵庫神戸本部にぜひご相談下さい。

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