年を重ね病気も多くなってくると、大切な子どもたちのために遺産相続について考える事があると思います。
しかし、家族とは言えやはりお金が絡んでくるとスムーズに進まず揉めてしまう事も少なくありません。
今回は、そんな遺産の配分を巡って発生したある問題について事実かどうかを確認するために素行調査を行った事例についてご紹介します。
※こちらの記事は実際の事例に基づいて構成しておりますが、プライバシー保護・個人情報保護のため脚色を加えております。
今回の依頼者Uさんはつい最近まで病気の治療のため入院していた70代の男性です。
幸い回復して元の暮らしに戻ることが出来ましたし、依頼に来られた際もお元気そうにみえましたが、病気を患った際に「80歳までは生きられないかもしれない」と考え、身の回りの整理や遺言書の作成といった「終活」に取り組むことにしました。
そして、その際にある問題が発生したため素行調査をする事を決められたのです。
「終活」をする上で特に重要なのはもちろん相続の問題。Uさんの奥さんは他界しており、兄弟である2人の息子さんが相続人ということになります。
Uさんは兄弟に差をつけるつもりはなく法律通り半分ずつ相続させようと考えていました。
しかし、ある日Uさんが「終活」に取り組んでいることを知った長男がUさんを訪ねてきて進言したそうです。
「弟は素行が悪いから遺産の取り分を減らした方がいい」、「あいつはいい歳をして結婚もせずぶらぶらしているし、遺産を受け取ってもどうせロクな事には使わない。それなら自分には妻も子どももいるから取り分を増やしてほしい。」などと次男の悪口を吹き込んできます。Uさん長男の言い分を黙って聞いてみましたが、内心「またか……」と思っていたそうです。
なんでも兄弟は仲が悪く、親族の集まりなどで顔を合わせてもほとんど口もきかないのだそうです。そんな弟に遺産を半分も持って行かれるのが嫌で長男は直談判してきたのでしょう。褒められた行為ではありませんがUさんとしても独身の次男が多少気がかりなのは確かですし、万が一何か問題があって後々揉めるといったような事もしてほしくありません。
そこでUさんは調査の結果、明らかな問題がみられたら相続の割合などについて調整しようと考えました。
依頼を受けた私たちは次男の調査を開始しました。その結果、次男は真面目に働いており、特に素行にも問題はありません。多少遊ぶようなこともありますが常識の範囲内であり非難すべきような点は見当たりません。借金をしているような様子もなく、ごく普通の独身男性といったご様子でした。
しかし、調査はこれで終わりではありません。
私たちUさんからの依頼で同時に長男についても調査をしていたのです。
そして本当に問題があったのは弟の悪口を吹き込んできた長男の方でした。長男は妻子がいる身にもかかわらず遅い時間まで飲み歩いており、キャバクラや風俗通いなどもしていました。休日でもあまり家族で外出する事はなく、家族との関係も良好とは言い難いようでした。
この報告を聞いたUさんは「やっぱり……。私が入院している間も色々と世話を焼いてくれたのは次男の方でしたし、長男は行動を改めさせなきゃなりませんね。このままにしておくのはお嫁さんにも孫にも気の毒ですしね。」と仰っていました。
結局、遺産は基本的に当初の通り半分ずつ相続させる予定で進め、長男に説教した後にその行動をみて追々調整していく事にされたそうです。
悲しい事ではありますが、遺産相続を巡って兄妹姉妹が争う事や互いの批判といったトラブルは珍しくありません。ご紹介した事例のような進言した側が素行に問題があり、悪口を言われた側が真っ当な人という悪質なケースもあるのです。
こういった場合には片方だけに意見を鵜呑みにせず、真実を冷静に判断することが大切です。 大切な家族同士が争わないように明らかにしなければならない事がありましたら、シークレットジャパン兵庫神戸本部にご相談下さい。
コメント