許せない裏切り~顧客の情報を売る社員~

企業調査

顧客情報は企業にとって重要なものであり、その管理は徹底して行われなければなりません。もし、情報の流失があれば利益や顧客からの信用の消失など損害は計り知れません。

そんな顧客情報流失について、今回はある写真が競合他社に買収され、受け持ちの顧客を「切り売り」していた事例についてご紹介したいと思います。

※こちらの記事は実際の事例に基づいて構成しておりますが、プライバシー保護・個人情報保護のため脚色を加えております

今回の依頼者Tさんの会社では悩ましい問題が起きていました。いわゆる顧客情報の流出が発生しており、顧客が少しずつ他社のサービスに移ってしまっているのです。

はじめはそこまで重要ではない顧客が中心だったのですが、次第に優良顧客の情報も流出するようになり、一時的な問題として静観するわけにはいかなくなったのです。

しかしこの顧客情報流出問題、どういうわけか流出しているのは営業部員Aが担当している顧客ばかりだそうです。当然、社内ではAの責任を問う声が大きくなり、会議でAが叱責されることもしばしばあったそうなのです。Aの営業活動に何らかの問題が発生しているのでは? そう考え、別の営業部員が交代でAの担当先を回るなどしてテコ入れを図ることになりました。そして、そういった対策を行っている中である疑惑が生まれたのです。

「顧客情報は流出しているのではなく、Aが意図的に流出させているのではないか」という意見が出てきたのです。

そもそも問題となっているAは営業としては比較的優秀な方であり、特に大きな問題を起こしたこともありませんでした。そんなAの顧客ばかりが流出しているという事は明らかに不自然です。また、代役でAの得意先を回った営業部員からの報告でも相手方からAへの不満は特に聞かれなかったのです。

こうなってくると、Aが競合他社と結託して自らの顧客を売り渡している可能性を考えなければなりません。事態を重く見たTさんは、探偵にAの行動を調べてもらう事にしたのです。

調査の結果は会社の人たちの予想通り、Aが競合他社であるB社の人間と接触を持っていることが判明しました。窓口になっていたのは、Tさんも知っているB社の幹部社員でした。人目につくところで重要な会話はしていないので、接触中に何を話したのかその詳細までは不明ですが、別れ際にAはB社の幹部社員と笑顔で握手をする姿が撮影できました。

Aが他社の人間と接触している事が判明し、会社での対応を行うために調査自体はこのAとBの接触の証拠を入手した事で終了しました。そのため、ここからは推測になるのですがAはX社に買収され自分の顧客を少しずつ「切り売り」していたのでしょう。

当然、依頼主Tさんの会社はダメージを受けAの社内での評価は悪化します。しかし、AはおそらくX社の従業員として働く約束をしており、たとえ会社をクビになったとしても問題ないと考えているのでしょう。時間をかけて切り売りしていたのは、自然な顧客流出に見せかけるためだったのかもしれません。

今回の調査報告についてTさんは、いくら積まれたのか知りませんが、最悪の裏切り行為です。個人だけでなく会社全体に損害のでる行為ですし、許す事は出来ません」と大変お怒りのご様子でした。

顧客情報や取引先リストなどで、「企業秘密」に該当する情報を持ち出したり使用したりした場合の法的責任に問われる可能性もありますが、Aはそこまで大きな問題になるかもしれないという事がわかっていたのでしょうか? 

企業は日々、試行錯誤し信用を得て顧客の獲得を行っているでしょう。 その中で営業は直接顧客と対応する企業の窓口となる大切な立場です。そんな営業が会社を裏切ると、情報漏洩や顧客流出といったトラブルが発生し会社は大きな被害を受けてしまいます。

そのような事態を引き起こさないためにも、もし怪しい動きをしている従業員がいたら、すぐに対応することが大切です。社内調査はもちろん、探偵などの調査のプロフェッショナルに依頼し確たる証拠を集める事も一つの手段ひとつですので、ぜひご検討下さい。

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